(5)連句〔ROCK〕作品2007


 文学表現「連句ROCK」十三巻
  十一月三十日首尾  於531講義室  
【連衆のひとこと】
推敲後の各座の作者たちの感想です。                     
【この巻に一票】
翌週プリントされ、発表(披講)された全作品の中から、各自が最も気に入った巻を1巻選んだときのコメントです。
友人たちの選んだ◎ベスト一巻と○はもう一巻
1 連句ROCK 「ある2人の恋」の巻


パンプキンリンゴのタルトマロンパン 恩暎 
 彼と一緒に木犀のみち        スラ 
肩ならべ星のしずくがおちてくる   かな  
 ふたりきりだよこのま夜中に    恩暎
シンタンジン人が流れる花吹雪    スラ
 子猫がじゃれるベンチの上で    かな

【連衆のひとこと】 
☆ 初めは緊張していたけれど、話し合っていくうちに楽しくなりました。
☆ 今回作った連句はとても心が暖かくなります。
☆ 自分が感じた事を短い文章にして伝えないといけないので難しかった。

【この巻に一票】◎ 移り変わりが多いのでこの連句が良いなと思いました。
◎ 恋人達の楽しそな感じや可愛い感じ、ロマンチックな雰囲気など色々な面が表されているところがいいと思います。
◎ 発句のカタカナで目をひきつける点や、5句めにの韓国語が入っていて面白い。
○ シンタンジンの花が思い出されてなつかしい
○ 秋なのに暖かい雰囲気でよかったです。
○ 第3句が二人の恋をあらわしていてとても良かった。
○ とても可愛らしい句だと思いました。
○ 星のしずくもいいし、シンタンジンを入れて韓国も思い出せるから良いと思う。
2 連句ROCK 「パステルカラー」の巻


雪楽山色取り取りの秋の山  本スイ
 下弦のに君を重ねて    みんな
じっと見て瞳あいさつ赤い頬 ユジヒョン
 会えないときは指輪見つめて  ひろこ
青空へたんぽぽ香り揺れる髪  ジヨン
 おだやかな海霞たなびく   サンア  

【連衆のひとこと】
☆ 月の白、青空と海の青、たんぽぽの黄色とカラーが沢山あって綺麗に出来た。
☆ 少女らしく暖かい感じで出来ました。パステルカラーっぽく薄く綺麗な句です。
☆ 山から始めて海へ広がる感じで書きました。皆で作って楽しかったです。
☆ 日本的なものに韓国の山の名を入れたらユニークだと思い気にいっています。
☆ 第3が会っている時の幸せ、4はそれに対して会えない時の事を句にしました。

【この巻に一票】
◎ 全体的に柔らかい感じがして、こういうのが好きなので気に入りました。
◎ 発句が韓国の雪楽山から始まっているのが珍しい感じがしてとてもひかれた。
○ 初々しいような恋の句がステキ。本当にパステルカラーな感じですね。
○ 女らしい巻だと思いました。
○ 四句めの少し切ないとこが良かった。
○ 女の子らしさがとてもいい。
3 連句ROCK 「移りかわり」の巻


秋風に漂い薫る金木犀      松 
  三日月見える学食の窓    碧
初恋はもみじで染まる山の色  
               チョンヘジン
 実らぬ恋に想いこがれて     青
  息白くいま満開の四季桜    松 
 皆でつつく鍋はキムチで     碧

【連衆のひとこと】  
☆ 一つの句を作るのに沢山の時間をかけたのでとても思い入れのある巻となった。
☆ 575句より77句の方が浮かばなくて大変だった。
☆ 連句は難しかったが楽しかった。いろんな表現を使って勉強になった。

【この巻に一票】
◎ 全体の雰囲気が思い浮かぶ。皆でキムチ鍋を食べるのは楽しそうだ。
○ 秋から冬への移りかわりと心の移り変わりがよく表現されていると思います。
○ 全体的に情緒的でロマンチックな感じがした。挙句のキムチ鍋が気に入った。
○ 単語の選択が良かった。3句目がよかった。

4 連句ROCK 「水色キャンパス」の巻

きらきらとトンボの群が秋はこぶ 名美子
 月光に照る団子うまそう     友紀 
遊園地待ちどおしいな初恋は  名美子
 あなたの声でココロがオドル  友紀 
花片が肩にまい落ちはいチーズ
                 名美子
 ツバメ飛びゆく水色キャンパス 友紀

【連衆のひとこと】
☆ 恋の句は作りやすく素直な気持ちをそのまま書きました。
☆ 挙句は雲一つない青空をツバメが飛ぶ情景にしてみました。

【この巻に一票】
◎挙句の水色キャンパスが、青空を意味している感じがして凄くいいと思う。
◎元気な女の子の句という感じがしてとても好きです。
◎タイトルがスゴク気に入って選んだ。句全体的には素直な感じでいいと思う。
◎発句のトンボの群れが秋をはこぶというのが面白いです。
○ ユニークな表現を取り入れたのが良かったと思います。
○ 恋について色の表現がうつくしかった。
○ ドキドキする初めてのデートの気持ちがうかがえる。
○ 挙句の「ツバメ飛びゆく水色キャンパス」が好きです。
○ 初恋とかココロがオドルとかオトメチックな感じでかわいい。
○ 現代の私たちには一番、心に響く連句ではないでしょうか。

5 連句ROCK 「秋刀魚の恋」の巻


スーパーでひときわ輝く秋刀魚たち 
                  美紗代
 目をみつめたら青い海原   香里 
あの人が歌う横顔ほれました  実香 
 でも届かない私の想い     真奈
 花盛りライズボールでストライク 美紗代
  たんぽぽに乗りどこまでも活く 香里    

【連衆のひとこと】
☆ この連句はあえてサンマの視点で書いて見ました。擬人法ということですが、発想豊かでいい句がたくさん出ました。
☆ 挙句の「活く」は、秋刀魚が生きるという意味とどこまでも行くをかけて秋刀魚の新鮮さをだしてみました。

【この巻に一票】
◎ 第3句の彼の横顔にみとれる風景が想像され可愛く思い気に入りました。
◎ 2句目が秋刀魚の意味と人間の意味と二つあり、移り変わっていくのが素敵だと思う。
◎ 発句から挙句までうまくまとめてある感じがします。
○ スーパーでうられている秋刀魚のドラマが見えました。
○ 挙句の「どこまでも活く」という表現が好きです。
○ 第3の「あの人が歌う横顔にほれました」という素直な表現が良かったです。
○ 発句と脇がちゃんとつながっていて、しかもちょっと変わっているのでそこが良いと思いました。
○ 擬人法がとても面白いです。しかも秋刀魚!初めて見ました。
○ 恋を秋刀魚で例えるところがいいと思いました。
○ 面白い視点で書かれていて楽しい句でした。
6 連句ROCK 「芸能人尽くし」の巻


休暇明け気怠い顔のほしのあき 秀
   秋の蛯原カメラにニコリ    飴 
細木さん晩年の恋色男    センキ
  見向きもしない生意気タッキー 飴 
花盛り小島よしおはいつまでか センキ
   春の夜歩く陣内夫妻      飴  

【連衆のひとこと】
☆ 全ての句に芸能人の名前を入れて作ったので句を作るのが難しかった。
☆ 連句を作った経験が少なくて不安だったが協力し合いながら頑張って作ったので互いに仲もよくなりました。
☆ グループで句を作って面白かった。色々とアイディアが浮かんできた
【この巻に一票】
◎ その芸能人にちなんだ句なのでより一層いいのではないでしょうか。
◎ リズムがよくて読みやすかったです。
◎ 今を時めく人が沢山でて始めてみる人にもわかりやすく楽しいものだと思う。
◎ 特に気に入ったのは5句目で見て吹き出しそうになってしまいました○ 面白い巻でした。
○ 芸能人の名前を入れてつくるのは、結構いいアイディアだと思います。
○ 他のグループはやっていないことをしてたので面白いと思いました。
○ 他の巻とは違っておもしろい。個性的な句で良い。
○ 第5の小島よしおはなかなかナイスな句だと思う
○ いいアイディアでおもしろい巻だと思います。
○ 3句から4句のつながりが上手くておもしろいと思います。
○ 新しい感じの連句で良いと思います。
7 連句ROCK 「どんぐり」の巻


風ふいてカサカサどんぐり落ちてくる
                   渡辺
  月のあかりが青くさしこむ  渡辺
こんにちは古い恋人久しぶり  渡辺 
  二人で食べた苺のケーキ   トヤ
 花びら
がヒラヒラとまう平等院  トヤ
 ぶらんこをこぐ子供はしゃいで  渡辺
 

【連衆のひとこと】  
☆苺のケーキという語がはいって甘い恋の句になった。
☆ 母語で俳句を作るのは難しいけれど日本語で作ってみてすごく難しいと感じた。

【この巻に一票】
◎ 第3から4句へのうつりが良い。おいしそう。
○ いちごケーキと、とても可愛らしいと思った
○ 平等院のさくらの舞い落ちる上品な様子がとても良いと思いました。
8 連句ROCK 「思故郷(シースーチョン)」の巻


秋天の雨強く降る内蒙古    紗紗
 眠れぬ夜長星も隠れて    砂城
風鈴に友達の声なつかしい   樊可 
 再会の日を夢に見て待つ   香織 
が舞う小指の約束十年後  砂城
  朧月夜の思郷情       樊可 

【連衆のひとこと】
☆ 一人外国で朧月夜を見ていると家族や友人が特別に恋しく思いこの句ができた。
☆ 巻の名前に書いたように故郷のことを強く思っているような流れになったと思います。
☆ 思故郷は中国語でシチョウチンといい静かなイメージで綺麗だと思います。
【この巻に一票】
◎ 懐かしい故郷の心をよく表現されている作品だと思いました。
◎ 中国語が多いので分りやすかったです。
◎ 着物の格好をした人が朧月を見ながら、故郷を恋しく思う姿が思い浮かんだ。
◎ 一番良かったと思います。
◎ 故郷の人、故郷の水、故郷の山、美しいですね!
◎ 故郷に帰りたい気持ちが強いと思う。
○5句めが十年待つ辛さ、切なさが良い。
○静かなイメージでいいです。
9 連句ROCK 「春の恋」の巻


風ヒューと赤の手袋マフラーも 久美子
 寒さをしのぐ余分なお肉     愛 
ダイエットぽっちゃり好きの彼ゲット 
                  香織
 飛行機雲がハートを描く     奈々
花盛り私の心満開だ       扶美子
 あなたのとなりとぶしゃぼん玉 全員

【連衆のひとこと】
☆ この連句はとても素直で春っぽい女の子をイメージして作りました。
☆ ありのままを受け止めてくれる優しい彼をゲットという可愛らしい句を作った。
☆ 四句めのハートの中には沢山の女の子の気持ちが詰まった感じにしたかった。
☆ 挙句のしゃぼん玉は2つで空へ飛んでいく様子を表しました。
☆ 全体的には、一句一句にかわいさを入れてみました。

【この巻に一票】
◎ 明るい雰囲気がとても気に入りました。
◎ ぽっちゃりしている自分のありのままを好いてくれる彼が現れて素敵だと思う。
◎ これからの季節にギリギリセーフという感じがする。
◎ 学生は恋のことを気にするからこのグループのテーマはいいと思う。
◎ 寒さをしのぐ余分なお肉がとっても好きです。
◎ 4句めがロマンチックでとても良かった。
○ 全体的にユーモアがあっておもしろい句だなと思いました。
○ 女の子の気持ちがすごく出ていて共感しました。
10 連句ROCK 「猫さんぽ」の巻


猫さんぽ秋桜祭の旗の下     KOH 
 の光で映える暗闇      MAH
夏空とともにさりゆく恋心     AKI   
 報われずとも運命の人     MAH
の影心もピンク良い気持ち   AKI 
 深呼吸して飛ばす風船     MAH  


【連衆のひとこと】
☆ 発句は可愛らしくだんだん悲しい感じの句になり挙句ではまた春が来て暖かで心もピンク色になってしまうという流れにしました。
☆ 5句めは心を入れ替えて、良い気分で楽しい感じで挙句は、風船に願いこめて飛ばして新しく始めようとイメージです。

【この巻に一票】
◎ 発句は桜花の様子がよくわかる句だと思った。脇の句は他の句と違いカッコイイ感じがして良い。
○ 可愛い連句だと思います。
○運命の人の句って、ほんとうにあるような気がする。
○ 「花の影心もピンク良い気持ち」この句がかわいくて好きです。
11 連句ROCK 「カラス」の巻


雨にぬれ飛び立つカラス秋の空 幅口
 実る柿の木山脈遠く     葵伶
手を繋ぎ会話なく待つ青信号  幅口 
 ささやかな時愛しく思う     葵伶 
海辺からを見上げて息白く  葵伶  
 ひとりぼっちのクリスマスイヴ 幅口
 

 

【連衆のひとこと】
☆ しっとりとした感じから始まり心あたたかな恋句。そして少し寂しい冬の句となりました。
☆ 悩み、うなって、友達のアドバイスを参考にしながら作りました。

【この巻に一票】
◎秋の寂しさで始まって冬の寒さでおわるのがよかったです。
○ カラスは悪いイメージがあるけどこの連句では素敵なイメージです。
○秋から冬へのうつりかわりがいいですね。

12 連句ROCK 「うさぎの耳」の巻


秋風の吹く冷たさに服合わせ  恵美  
 色とりどりの紅葉散る山   張燕
散歩道二人で肩を並べてる   善子  
 幸せそうに寄り添いながら  張燕  
春のうさぎぴょこぴょこ長い耳  恵美
 スイートピーが空に微笑む    善子
 

【連衆のひとこと】
☆ 全体的に抽象的ことと、五句よりも挙句の方が先に出来てしまったので、そこから五句に繋げるのに苦労した。
☆ 挙句では春の花畑がイメージできるくらい暖かい句だと思う。

【この巻に一票】
○ 季節が目に浮かぶくらい美しいイメージで作ってあって感動的です。
○ すごく幸せそうな句です。
○ ウサギの耳というタイトルが気に入った。
○ 全体的にやわらかくてうさぎって言う題にピッタリの句だと思う。
○ 気温に合わせて服をえらんだり、秋の風景を見たり良い毎日をすごしている感じがした。
13 連句ROCK 「恋の詩」の巻

楊子江山に紅葉が香りけり   王蘇偉 
 つい見とれてる十五夜の 北川恵理 
金曜日優しい彼と待ち合わせ 陳改改
 小さなピザを分け合って愛   王蘇偉
集いこし友と歌っての宴   北川恵理
 蝶がとまって願い叶わん    陳改改

【連衆のひとこと】
☆ この連句は恋人達がロマンチックを満ち溢れる感覚にしました。
☆ 自分の優しい彼と歌ったりゲームをしたり…といった句にしました。

【この巻に一票】
◎ 5句目が七七にすごく合っている気がする。句としてすごくまとまっている。
◎ 恋も充実していて友達ともはしゃげて幸せを感じる句でした。初めて呼んだ時にパッとイメージが入ってきたのでとてもわかりやすい句でした。
○ 恋とかロマンチックが好きでこの恋句が良かったと思う。

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