21世紀!伝統から未来への飛翔 →招待席U 歌仙 「風眩し」の巻 明雅・多迦夫・藍 三吟(2000春) 
   
     
招待席V  歌 仙   「鷹 柱」の巻     三吟

                 *句の傍線は進行中に推敲した部分。*傍線は巻き上がり後の校合
   

    初折オモテ発句 名にし負ふ鷹柱見ついらご崎          多迦夫 三冬
 碑ひとつ小春日のなか    藍 初冬
第三 ひょうひょうと能管吹くは誰ならん   明雅
 茶飯の膳に海苔と梅干し          
   五 液晶の画面に青い月が出て            藍 三秋
折端   露の沙漠に眠るキャラバン      三秋
初折ウラ折 贈られしマルメロ匂ふ旅鞄            晩秋
 髪をゆすれば男七人              藍  
憂愁と倦怠ひめしまなざしに      
10  ロ短調ミサアルト絶唱             
11 天道虫精いっぱいに翔び立って         三夏
12  六   朝草刈りの鎌照らす月              晩夏
13   七 母達者いもたこなんきん巨人好き       
14   首相も籤で決めたらばどう?           
15 猿山のボス争ひも         
16   テロップにまた地震情報            
17 十一  花ほろろ夢違観音に逢ひにゆく       晩春
18 折端   はんこ(半纏)たんな(頭巾)で種を蒔く人               晩春
19 名残折オモテ 折立   男らに鰊取れそれ鰯取れ   々  三春  
20   海の底ひに戦闘機朽ち                
21  慟哭の摩夫仁の丘をひとめぐり          
22   ハンモック吊りタイムトリップ    三夏  
23  瀟洒なる林間学校杜の奥     晩夏
24   あたしは猫科きつい愛咬               
25 磧湯に魔女の蛇身の透きとほり         迦     
26    珍陀の宵に頭くらくら             雅     
27 ねじ捲けば阿蘭陀時計鳴り出して    藍  
28   ルオーの道化何か悲しげ           
29 十一  手を振りて牧場帰りを送る子等         雅    初秋
30 折端   単車を停める黄落の街   藍  三秋  
31 名残折ウラ 折立 まほろばの夕月の冷え覚えつつ      仲秋 
32   竹馬の友と出会ふホスピス   雅   
33 走者しか知らゴールのよろこびは   藍   
34   えり挿すひとに湖は穏やか     迦  初春 
35 花    五 咲きみてる花は昔の長等山   雅 晩春
36 挙句   回廊づたひあそぶてふてふ        藍 三春

2000年月日起首 満尾

* 初折表(ショオリのオモテ)略称   初折裏(ショオリのウラ)略称 
  名残折表(ナゴリノオリのオモテ)略称ナオ 名残折裏(ナゴリノオリのウラ)略称ナウ