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  KUSARI 40000番 鳥の名100番詠みこみ   
1999年にはじまったKUSARI連句が2004年8月12日夜に40000番に達しました。
ときどきキリ番にやる詠みこみ物の名は、今回「鳥の名100番」でした。詠みこむだけでなく、一応のルールはふだんどおり、前句に付ける苦労もしている連衆でございます。じっくり読んでこのはかなきよしなしごとをお笑いくだされませ。













海鵜・ゴメ 礼文島スコトン岬

 (39999 愛しいと思うものこそ美しい   タヌ公)
40000    恋に東西なく数しらず       あらら  おめでとう!
40001  流れ星ガラスのグラスに閉じ込めて    ザリ(ホシガラス)
40002   君待つだけの単調な日々        ふさ子 (丹頂)
40003  庭先にいそいそひよこ列をなし      タヌ公 (イソヒヨ)
40004   なんだかもめている父と母          藍 (鴎)
40005  詐欺の記事小さな嘘のひとつから   ふさ子(鷺・雉・鷽)
40006   合併以来調子もどらず            兎 (雷鳥)
40007  ときめきの明日があるさ甲子園        晴(朱鷺・鵜)
40008   せっかく来れた勝って帰るぞ        ザリ(雪加・鷹)
40009  幸呼ぶ娘ドリームジャンボの籤当てて   あらら(呼子鳥)
40010   風にゆれつつ茱萸の紅い実         兎(鶫)
40011  鍔目釘墓守る剣いたわしや      柳雪(燕・鴨・鶴・鷲)
40012   知ったかぶりでなぐさめている      藍(鷹)
40013  口つぐみとんとん拍子に出世して   あづさ(つぐみ・鳶)
40014    ドンペリ莞爾として飲み干せり   あおゆき(ペリカン)
40015  遅く起き干葉料理して朝餉とす     カンちゃん(ひばり)
40016    座んないでよほらゴミ袋        藍(スワン・梟)
40017   広い庭取りきれぬ草生い茂り       迷子の雄猫(鶏)
40018    特別の日はワイン買うてこ       ひわ(鶸、インコ)
40019  何でだかいつぶり返す恋の熱     あらら(かいつぶり)
40020    不倫なのかもけりつける時   ふさ子(鴨・ケリ・朱鷺)40021  嘘借りも格好もずるも悔いなくて 柳雪(ウソ・雁・郭公・モズ・水鶏)
40022 五十からだよ高き工賃  ふさ子(五十雀・夜鷹・コーチン) 
40023  小泉さん校長せんせがお呼びです    兎(三光鳥) 
40024    そよ風がふく朗笑の子等        ザリ(梟) 
40025  堂々と四万句越えたKUSARIなり  あおゆき(ドードー)
40026    満天の星宇宙広がる          和(鵜)
40027  明けてきつ月はかたむく西空へ       彗(きつつき)
40028    まあ食いなよと旅は道連れ       藍(水鶏)
40029  凄くらく丁度良い湯だ露天風呂       ザリ(極楽鳥)
40030    頑固じいさま詩吟朗々         藍(雁・鴫)
40031  ひつそりと閭巷馬頭の仏立つ      たつみ(旅行鳩)
40032    辻の柳は物を言ひたき         和(ヒタキ)
40033  ウイスキーウィっと一口おいどうだ     のら(キーウィ)
40034    しめしめ小遣いすかさず値上げ     兎(シメ・交喙)
40035  ご免してちょう源坊もあげないと たつみ(チョウゲンボウ)
40036    38度陸じゃ苦続き      ふさ子(ハチドリ・孔雀)
40037  ダイビングばっちゃぼっちゃと水しぶき   兎(矮鶏)
40038    ヤシ科クロツグ南の木です       桂(黒ツグミ)
40039  高僧の来朝を乞うメール書く        R(雷鳥)
40040    括弧うっかり忘れたらしい       桂(カッコウ)
40041  愛に倦みうとましくなる彼の鼻       藍(海鵜)
40042    波止場イケメンたあ聞いてるか?ふさ子(鳩・ターキー)
40043  晩年は付き合いもなく路地裏に     桂(バン・クロジ)
40044    保険もズラリ掛け捨てじゃない ふさ子(百舌・懸巣)
40045  週一度利用しているレンタカー    ひわ(千鳥、鵜、鷹)
40046    盆で高速どこも混んどる        はやお(コンドル)
40047  アフロヘア法衣でケーキういろ食む 晴(あほう鳥・キウイ)
40048    町のみんなが踊り花笠         兎(長尾鶏)
40049  銀山を流れ来る川蝉時雨          和(翡翠)
40050    お前の親父かなり甘いよ        藍(カナリア)
40051  街道の護摩の灰めが狙ってる       たつみ(ノゴマ)
40052    そこだ丁半決めた甲斐性        藍(駝鳥・鷹)
40053  糖分の低いドリンク選び取り      タヌ公(ヒクイドリ)
40054    口つぐみつつ一気に飲んで       彗(つぐみ)
40055  あれは誰問いかけ少し赤くなる       R(カケス)
40056    久かたぶりのスリランカ行く       ザリ(ノスリ)
40057  あの人はとっくに帰り呑んでいた     クン(はと)
40058    村の中でもずんと有名       たつみ(鵙)
40059  おせっかい婆さんいつも紅つけて      兎(雪加)
40060    お袋生んでくれてありがと    不用之助(梟)
40061  球威ありインコースつく眼の良さ  ふさ子(キュウイ・雁・インコ)
40062    頑張らずもうずらかりましょう    クン(うずら)
40063  妹が泣いてすがるを流し雛         兎(尾長)
40064    お芝居の節調子怪しい       あらら(不死鳥)
40065  車いす軽々走るダンスの子        クン(イスカ)
40066    牡丹か百合かもめる好みで     あらら(ユリカモメ)
40067  オメデトウ念願かない嫁が来る    ザリ(トウネン。雁)
40068    不思議なことの起こる予感も      和(鴫)
40069  すわ急患朝食器つつき椅子を蹴り ふさ子(九官鳥・啄木鳥・鳧)
40070    みとせ続いたゲリラ戦なお       彗(タゲリ)
40071  アトリエに残した夢も荒れ果てて カンちゃん(あとり・モア)
40072    苧殻焚かずと姉が誘う       たつみ(鷹) 
40073  と見こう見寝ころんで見ても美女なりき   藍(海猫)
40074    貫禄がある場取らすけれど     小町(アルバトラス)
40075  「君がいい」グルメな狼言いました     藍(イーグル)
40076    そうだ腸には婆さんがいる    不用之助(ダチョウ)
40077  事故に過誤潔からぬ医者ばかり     おはぎ(五位鷺)
40078    クソミソ些細ないいがかりつけ   藍(みそさざい)
40079  夏の海愛されぬまま日は暮れて  ザリ(ウミアイサ、ヒワ)
40080    聞いてみてちょう滑稽な奴       のら(ウコッケイ)
40081  三杯目遠慮する君みずくさい         兎(木莵)
40082    酒飲みながら胃腸気にする       和(雷鳥)
40083  嬉しい日バリ島旅行決定し        ひわ(雲雀、鵜)
40084    パパにお土産なににしようか      紫(にお)
40085   笛に付く砂をはらって持ち帰り    あづさ(フェニックス)
40086     金銀銅錫メッキ塗ります     不用之助(雀)
40087  五輪熱容姿技好し限もなく       あらら(ヨシキリ)
40088    ビールのつまみ馬刺しばっかり    ザリ(サシバ)
40089  空の壜ずいぶん溜まる下宿先        兎(便追)
40090    こけつまろびつ場面転換       ひわ(燕)
40091  うたかたは時の水面を流れ行き あづさ(鵜・鷹・鳩・尾長)
40092     私はメシア怯むではない     不用之助(あひる)
40093  稲の穂と砥ぎ済ませたる鎌ありて  あらら(ホトトギス)
40094    身分違いの悲恋じゃ苦労        藍(緋連雀)
40095  小柄なる母の胡麻和え絶品で     桂(コガラ・ノゴマ)
40096    厨の小窓リスの影過ぐ         兎(駒鳥)
40097  相当の番狂わせかもアテネでは  彗(ウトウ、バン、カモ)
40098    決勝の日がラッキーとなり     あらら(ヒガラ)
40099  あとを引く稲荷寿司だよ祝賀会    道草(ヒクイナ)
40100    高嶺めざして鳥の一群     桂(タカ)
8月12日(木) 21時49分20秒)ー13日(金)ー14日(土)15時46分55秒

カモメとウミネコ(礼文島ではともにゴメというそうです。鴎の脚はピンクで、海猫の脚は黄色いのが見分け方。ほんとうに2種類いました。)

ご参考までに 千年前の詠み込み先輩の歌
 『古今和歌集』巻 第十物名
      うぐひす                    藤原としゆきの朝臣
422 心から花のしづくにそぼちつつうくひずとのみ鳥のなくらん  
      ほととぎす
423 くべきほどときすぎぬれやまちわびてなくなるこゑの人をとよむる    

  『拾遺和歌集巻第六』 物名
       つぐみ
404 わが心あやしくあだに春くれば花につく身となどてなりけん 大伴黒主
405 さく花に思ひつくみのあぢきなさ身にいたづきのいるもしらずて
      つばくらめ
406 なにはづは暗めにのみぞ舟はつく朝の風のさだめなければ すけみ
      いかるがにげ
420 ことぞともききだにわかずわりなくも人のいかるかにげやしなまし みつね
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                (岩波古典文学大系『古今和歌集』より)